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今日の教科:「負けることを学び稽古する」
スポーツは、勝つこと、楽しいを目的としている。全く、反対なのが武道です。「負ける事を稽古し、苦しみを味あう事を目的」としています。「殴られ、蹴られ、投げられ、更に負けた後の礼法も学びます。」拳法会には、「勝って反省!負けて感謝!」という訓えもあります。
では、いつからスポーツとの区別が不明瞭になったのでしょうか?近代では、2つの大きな転換期があります。1つは、昭和20年大東亜戦争のわが国の敗戦により占領軍から出された「武道禁止令」です。目的は、日本人の持つ「武士道精神の排除」です。2つ目は、1964年の東京オリンピックです。
戦前昭和20年以前の武道は、大日本武徳会が主軸でした。(1942年日本武徳会224万人、講道館1901年1万人)
大日本武徳会の理念 『武徳会勧誘書』には、
・「武徳会は、会員あい戒めあい励みて国民の武徳を養成する団体なり」
・「わが国のいわゆる大和魂または武士道というはみな武徳のことなり」
・「平生といえども人と交わるに信義を以ってし、弱きを扶け強きを挫き、善良なる国民として人の尊敬を受くるにはみな武徳を養うより出でざるはなし」
・「国民は武徳を以って心とし何事も信義を重んじて信用を得ずんば、通商上の利益も得難かるべし」
また、忘れては、いけないことは、1919年(大正8年)に大日本武徳会は「剣術」「撃剣」などの名称を「剣道」に統一した。また、このころ、弓術を弓道と改称し柔術を柔道と改称しました。
硫黄島で2万の日本守備隊は、10倍のアメリカ機動部隊と戦い全滅した。 敵、第五艦隊司令長官としてアメリカ海軍を指揮したレイモンド大将は、以下のように述べた。「アメリカの青年達よ。東洋には、すばらしい国がある。それは日本だ!日本には君達が想像もつかない立派な青年がいる!ああいう青年がいたら、やがて日本は世界の盟主になるに違いない。奮起しろ!」
彼は戦後、この言葉を伝えるべく全米各地を公演して回りました。
彼が、このように日本の事を言うようになったのは、次のようなエピソードがあったからです。
1ヶ月近く激戦を繰り広げ、多大な犠牲者を出して、アメリカ軍が硫黄島を占領したあくる日のことです。岩山の穴の中から負傷した日本の陸軍少佐が降伏のしるしのハンカチをもって出てきた。
彼は「司令官はいないか。穴の中には、有能な30名の青年達が残っている。彼らを日本のため世界のために生かしてやりたい。私を殺して彼らを助けてくれ。」といいました。
少佐を引見したスプルーアンスが「お前も部下達も助けてやろう」というと、彼は「サンキュー」といって絶命しました。
その後、アメリカ軍は、青年達が残っている穴の中に煙草や缶詰を投げ入れたりして、残された青年達に穴から出てくるよう勧告をしますが、彼らはそれに応じず抵抗を続けました。
数ヶ月間の抵抗の末、やがて何名かが餓死し、最後に残された者たちは手榴弾で自決して果てました。
その爆発がした時に、スプルーアンス司令官が穴の所に飛んで行くと、穴の入り口に英語と日本語で書かれた手紙がおかれていました。
「閣下の私達に対する御親切な御厚意、誠に感謝感激に堪えません。閣下より戴きました煙草も肉の缶詰も皆で有り難く頂戴いたしました。お勧めによる降伏の儀は、日本武士道の習いとして応ずることができません。最早(もはや)水もなく食もなければ、十三日午前四時を期して、全員自決して天国に参ります。終りに貴軍の武運長久を祈って筆を止めます。」
昭和二十年五月十三日
日本陸軍中尉 浅田真二
米軍司令官スプルーアンス大将殿
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