2020年3月13日金曜日

認知症と過激なスポーツ サッカーのヘディング、頭へのパンチ!



 わが国の認知症患者は予備軍も含めると900万人以上、2025年には1300万人と推定されている。認知症は高齢者の病気と思われがちだが、40代、50代の患者も珍しくはない。
 64歳以下の認知症を若年性認知症と呼んでいるが、その数は4万人弱で男性に多い。 原因はさまざまだが、最近、注目されているのがスポーツなどによる頭部外傷だ。頭に強い衝撃が加わることで、将来認知症発症リスクが高まるという。日本ではあまり知られていないが、米国ではアメフト選手に若年性認知症が多く、社会問題となっている。2015年にはこのことをテーマにした映画『コンカッション』(脳震盪)(主演ウィル・スミス)がゴールデングローブ賞にノミネートされたほどだ。 私は大学病院のメモリークリニック(もの忘れ外来)で、認知症やその予備軍の患者さんを診察しています。最近、40代、50代の働き盛りの方が「もの忘れがあるが、認知症ではないか」と心配して受診するケースが目につくようになりました。 親の認知症を心配こそすれ、自分の認知症を心配する年齢ではないのですが、この世代にも認知症への関心が高まっているのだと思います。 実際、ある調査では、40代以上で「いちばんなりたくない病気」と「いちばん知識のない病気」のトップは認知症という結果が出ており、今や認知症はがんと並んで恐れられる病気といってもいいかもしれません。 脳の病気、主に認知症の研究と診療に携わって25年が経ちましたが、この20年間で認知症の発症メカニズムがだいぶ解明されてきました。しかし、まだわからないことも多く、特効薬の開発には至っていません。現段階では、認知症はいったんかかったら治すことができない進行性の病気なのです。 認知症は脳に特殊なごみが蓄積するのが原因 認知症は高齢になればなるほど増加するため、65歳以上を認知症、それ以下で発症する場合には若年性認知症と呼んでいますが、年齢によって分けただけで、発症メカニズムなどは基本的には同じです。
          

認知症は脳に特殊なごみが蓄積するのが原因


認知症は高齢になればなるほど増加するため、65歳以上を認知症、それ以下で発症する場合には若年性認知症と呼んでいますが、年齢によって分けただけで、発症メカニズムなどは基本的には同じです。

認知症には、アルツハイマー病、脳血管性認知症、レビー小体型認知症など複数のタイプがあります。認知症全体では最も多いのがアルツハイマー病です。若年性認知症に限れば、脳血管性認知症がトップで次にアルツハイマー病、3番目に頭部外傷です。

若年性認知症の原因となる疾患〈図のクレジット〉出典 若年性認知症ハンドブック(平成25年度版)※本図は用語統一のため一部改編しました
近著『認知症 専門医が教える最新事情』でも詳しく書いていますが、認知症の原因は、脳内に特殊なたんぱく質(いわゆる脳のごみ)がたまることです。

米国のアメフト選手を襲う若年性認知症

では、ごみの蓄積はどうすれば少なくできるでしょうか。
ひとつは、認知症になるリスクが高い病気を予防することです。主なものに40代になると増えだす身近な病気があります。たとえば糖尿病。この病気の人の認知症罹患リスクは約2倍、血管にダメージを与える中年期の脂質異常症ではリスクが2~3倍になります。その他、うつ病や慢性的な睡眠不足、難聴や歯の喪失などもリスク要因です。特に、うつ病との関係は深く、認知症の初期の症状としてうつ状態があります。60歳未満でうつ病の経験のある人は、認知症リスクは約4倍という調査もあります。
若年性認知症の分野で、最近問題になっているのは、くり返される頭部外傷のリスクです。スポーツ選手が転倒や打撲などで頭部に強い衝撃を受け、ときには脳震盪を起こすこともありますが、こういった頭部外傷が将来認知症のリスクにつながるのではないかというのです。
実際、以前から慢性頭部外傷による後遺症は、「ボクサー脳症」として知られていました。頭部にくり返しパンチを受けるボクサーには、認知症やパーキンソン病に似た症状が出る慢性外傷性脳症が起きやすく、進行すると認知症、パーキンソン病を発症することが知られています。【過激なスポーツは、短命、プロボクシング61.4才 サッカー68.5才 フルコン空手60.3才
<外傷性横紋筋融解症と腎機能障害>  突き蹴りを食らってしまった時に、筋肉では何が起きているでしょうか?筋肉が破壊されますね。ウエイトトレーニングも同じです。こうして破壊された筋肉が、前以上に回復してくる。こうした「超回復」の良さばかりが注目されていますが、一方で、破壊された筋肉の破片は血中をウヨウヨと漂い始めます。この状態が外傷性横紋筋融解症と言われます。  血液はやがて腎臓でろ過されますが、この筋肉の破片が多すぎると、そこで腎臓のフィルターに詰まってしまい、腎機能の障害を引き起こしてしまいます。稽古の疲労が慢性的に抜けないときは、この障害を疑ったほうがいいようです。  事実、伝説の選手たちの多くが、達成後に腎不全を起こし、一時的に入院、透析を受けているようです。やはり、「殴り合いは体に悪い」のです。  全般にこれらの障害を予防するためには、一日2リットル+練習で消費した水分を摂取することが肝心と言われます。稽古の日などは、朝から5リットル近くの水を飲むことになります。こおまで意識して取り組まないと体を壊してしまいます。  何も知らずに無茶な稽古を繰り返すと、健康どころか、体を壊すことになりかねません。そして、なによりも中高年にとっては「心臓」が極めて重要です。40代を過ぎてもなお、ガチガチに心拍数を上げ続ける稽古をすることは、死への近道と知るべきです。若いころにやれたからと言って、40代でそれがやれるとは思わないことです。これが、フルコン空手家の寿命と関係があるのかどうか、はっきりとはわかりませんが、健康をかなり意識して取り組まないと、体を壊してしまうこともありうるということ、これはしっかりと胸に刻んだ方がいいでしょう。(中年空手百条委員会から)

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