ニュージーランドでは、特別学校に通う割合が0.5%と超低い:
1989年の教育法改正によって、心身の障害など特別な教育的ニーズがある子どもにも、通常の初等中等教育学校で学ぶ権利が保障された。2008年の障害者権利条約批准の翌年、独立政府関係法人の人権委員会や障害者団体から徹底した対策の必要性を指摘する報告書が公表され、大きなインパクトを与えた。それを受け、政府は学校現場でのインクルーシブ教育の普及割合を80%にする目標を掲げ、2014年にその目標が達成された。現在、障害のある子どものみを対象とする特別学校に通う割合が0.5%と諸外国のなかでも顕著に低く、通常の保育施設や学校で何らかの支援を受けている子どもが10人に一人と高い割合になっている。
インクルーシブ教育の推進にあたって、子どもの権利に配慮した取り組みが多くみられる。学校だけでなく保育施設も、その認可基準として、障害を理由に入園を断ることが認められていない。教育省の地方事務所の学習支援チームが、子どもが活動に参加できるような環境整備を行う。病気療養児には、学籍はもとの学校に置いたまま、ヘルススクール(病気療養をする子どもに教員を派遣する機関)から入院先へスタッフが出向く。支援の質についても、国の教育評価局がすべての保育施設・学校を定期的に調査していることに加え、国が教員等に対して、ニュージーランドのインクルーシブ教育とわが国への示唆成果なども踏まえて様々な情報提供を行っている。
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