「拳法会・生涯武道と健康寿命そしてフレイル」
【フレイル(Frailty)は、加齢により心身の活力(筋力、認知機能、社会とのつながりなど)が低下】
毎年、この時期は、合宿をおこないスポーツテストを行い自分の体力を確認しています。
例えば、立ち幅跳びと高齢者の転倒の関係をグラフで表すと以下のようになります。
転倒リスクが高まる目安(65歳以上)
この数値を下回ると、自分の体を支えたり、つまずいた時に足を前に出したりする「防衛反応」が間に合わなくなるリスクが高まります。
- 男性:140cm 〜 150cm 未満
- 女性:90cm 〜 100cm 未満
この数値は、「小学3〜4年生の平均」を下回る水準です。大人の体重を支える筋パワーとしては、かなり心もとない状態と言えます。
〇競技特性と寿命の差
あるデータ(一部の推計を含む)によると、伝統派空手の平均寿命が約74歳であるのに対し、フルコンタクト空手は約53歳という厳しい数字も提示されています。
「jutsu(術)」から「do(道)」への転換: 剣道や柔道、拳法会などは、勝敗だけでなく「心身の修養」や「健康増進」を体系に組み込んでいますが、フルコンタクト空手は「実戦・最強」を追求するあまり、身体を「消費」してしまう傾向が強いと言えます。
〇【フレイル(Frailty)】
拳法会、剣道などの武道と、野球・サッカー・バスケのような球技スポーツ(プロ競技)との大きな違いは、「生涯スポーツとしての継続性」と「身体の使い方」にあります。
拳法会・剣道家がフレイルになりにくい(あるいは野球選手らと状況が異なる)理由は、主に以下の3点です。
1. 「引退」という概念がない(生涯現役)
野球やサッカーは「プロ」としての現役期間が短く、引退するとパタリと運動をやめてしまうケースが目立ちます。
- 拳法会・剣道の場合: 80代、90代でも稽古を続ける人が多く、生涯を通じて一定の活動量を維持しやすい競技特性があります。これにより、引退後の急激な「筋力低下(サルコペニア)」が起こりにくいのです。
2. 筋肉ではなく「骨」と「神経」を鍛える。
球技は筋力や瞬発力に頼る部分が大きいですが、拳法会・剣道・柔道は高段者になるほど筋力に頼らない動きを追求します。
- 衝撃による骨密度の上昇: 裸足で床を強く踏み込む動作(踏み込み足)は、骨に垂直な刺激を与え、骨密度を高める効果があると言われています。これが高齢期の骨粗鬆症や骨折(フレイルの大きな原因)を防ぎます。
- 姿勢の維持: 常に背筋を伸ばした構えを重視するため、加齢による円背(猫背)になりにくく、体幹が安定します。
3. 社会的つながりの継続(精神的フレイルの防止)
野球、サッカー、バスケなどのスポーツ選手は、卒業・引退と同時に所属コミュニティを失いやすいですが、拳法会や剣道、柔道は「道場」というコミュニティが一生続きます。
- 世代間交流: 老若男女が共に稽古をするため、孤独になりにくく、社会的フレイルを回避しやすい環境があります。
4. 運動強度のコントロール
野球やサッカー、バスケは「全速力」「全力投球」など、常に100%の負荷がかかりやすく、関節を「使い切って」しまいます。
- 剣道、柔道、拳法会の調整力: 武道は自分の体力に合わせて稽古の強度を調整しやすいため、大きな怪我(後遺症)を残さずに高齢まで続けられるのが強みです。
要するに、野球、サッカー、バスケなどは「短期間に身体能力を爆発させる消費型」、拳法会、剣道、柔道など武道は「長期間かけて身体を練り上げる持続型」という違いが、老後のフレイルの差となって表れます。

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