「生涯武道と健康寿命 フレイルの予防」
【フレイル(Frailty)は、加齢により心身の活力(筋力、認知機能、社会とのつながりなど)が低下】
拳法会、剣道などの武道と、野球・サッカー・バスケのような球技スポーツ(プロ競技)との大きな違いは、「生涯スポーツとしての継続性」と「身体の使い方」にあります。
拳法会・剣道家がフレイルになりにくい(あるいは野球選手らと状況が異なる)理由は、主に以下の3点です。
1. 「引退」という概念がない(生涯現役)
野球やサッカーは「プロ」としての現役期間が短く、引退するとパタリと運動をやめてしまうケースが目立ちます。
- 拳法会・剣道の場合: 80代、90代でも稽古を続ける人が多く、生涯を通じて一定の活動量を維持しやすい競技特性があります。これにより、引退後の急激な「筋力低下(サルコペニア)」が起こりにくいのです。
2. 筋肉ではなく「骨」と「神経」を鍛える。
球技は筋力や瞬発力に頼る部分が大きいですが、拳法会・剣道・柔道は高段者になるほど筋力に頼らない動きを追求します。
- 衝撃による骨密度の上昇: 裸足で床を強く踏み込む動作(踏み込み足)は、骨に垂直な刺激を与え、骨密度を高める効果があると言われています。これが高齢期の骨粗鬆症や骨折(フレイルの大きな原因)を防ぎます。
- 姿勢の維持: 常に背筋を伸ばした構えを重視するため、加齢による円背(猫背)になりにくく、体幹が安定します。
3. 社会的つながりの継続(精神的フレイルの防止)
野球、サッカー、バスケなどのスポーツ選手は、卒業・引退と同時に所属コミュニティを失いやすいですが、拳法会や剣道、柔道は「道場」というコミュニティが一生続きます。
- 世代間交流: 老若男女が共に稽古をするため、孤独になりにくく、社会的フレイルを回避しやすい環境があります。
4. 運動強度のコントロール
野球やサッカー、バスケは「全速力」「全力投球」など、常に100%の負荷がかかりやすく、関節を「使い切って」しまいます。
- 剣道、柔道、拳法会の調整力: 武道は自分の体力に合わせて稽古の強度を調整しやすいため、大きな怪我(後遺症)を残さずに高齢まで続けられるのが強みです。

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